大判例

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東京高等裁判所 昭和31年(ネ)566号 判決

被控訴人が特許第一九七九三一号「高周波による同時接着截断法」に基いて、控訴人等に対し、控訴人等がそれぞれ製造販売する物品の製造、販売、拡布の禁止及び同物件の占有を解き執行吏の保管を命ずることを求める本件仮処分の申請は、次の事項を付け加える外、原判決の記載と同一の理由により、相当なものと認めるから、右の記載を引用して、これを認容すべきものとする。

すなわちその成立に争のない甲第二号証(本件特許明細書)と当裁判所が真正に成立したと認める甲第四号証(訴外小野善次作成の鑑定書)とによれば、本件特許発明における上部電極は、明細書記載の実施例及び図面においては、楔形の尖鋭に形成されているが、右明細書の全文からみれば、必ずしもこれを楔形にすることを要旨とするものではなく、上部電極はその尖端に電気力線を集中し、加工物に極度の歪を与えて熔断し、同時に加工物を熔着させることができれば足りるものと解せられるところ、当裁判所が引用する原判決の認定にかゝる控訴人等の製造、販売する物品の製造方法として、上部電極は「切板(外枠)が摺り動くか、または内側の枠がバネ仕掛けではね上るように、先端が細巾で板状である二つの電極を結合」して構成されており、右「上部電極の先端を揃えて、両電極に高周波電波を印加し、上部電極を以て加工物を適度に押圧することにより、その尖端に電気力線を集中して、加工物に相当程度の歪みを与えて熔着させ、そのまま上部電極の切板のみ、または内側の電極をバネではね上げ、尖刃部を有する外側の電極をもつて、更に加工物の低部に達する程度に押圧して、加工物を指先で引き離し得る程度に截断するもの」であるから、よし右上部電極の先端が平面となつていたとしても、その全体が営む作用効果をみれば、先に認定した本件特許発明の上部電極と均等であることが、一応疎明される。

以上の理由により、原判決は相当で本件控訴は棄却すべきである。

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